恵庭青年会議所

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理事長所信

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第40代理事長 村本隆雄


人はまちに生かされ、まちは人で活かされる。
まちは人の心であり、まちづくりは心を育む事である。
みな生き生きと暮らすことの出来るまちを創るため、
私たちは〝考動〟しなければならない。


~誓う~

いま私は、小高いところから町並みを眺めている。決して華やかとは言えないあの夜景の中に我が家があり、そこに愛する家族が待っていることを思うと、何にも変えがたい安堵を覚える。
木の葉がなびく音しか耳に付かないこの場所で何も考えず夜景を眺めていると、一つひとつの輝きに同じものは無いことに気付く。強く光を放つところもあれば、ぼんやりと光が燈るところもある。それぞれに個性があるからこそ、二つとないこの町だけの夜景となり、人々の目を楽しませてくれる。もし、すべてが同じ光を放つなら、それに魅力を感じることはないだろう。まちの明かりの一つひとつが、市民一人ひとりの営みであり、その集まりが闇夜の世界に個性溢れる二つとない彩りを与えているのだと思う。
互いの個性を尊重しながら励ましあい、助け合いながら明るく元気に生きている人の集まりが〝まち〟であり、一人ひとりが夢や希望を持ちながら暮すことができるからこそ、まちに活力が生まれ魅力的になるのだと思う。そう、まちは人で活かされているのだ。
 そして、もう一つ想うことがある。この夜景の中には、情熱をぶつけ合い、寝食を忘れるほど真剣になってまちづくりに汗を流している仲間たちがいるということ。
心から信頼する仲間がいる明かりの中に飛び込み、一つでも多くの灯火を点けるために、覚悟を持ってメンバーと時を過ごすことをいま心に誓う。


~JC運動の本質とは~

1971年、戦後26年に亘り米国の統治下に置かれていた沖縄の返還協定が調印され、翌年には日本に返還される歴史的な1ページが開かれた。過去の戦争と決別し、日本の明るい未来を信じて国民誰もが目を輝かせているこの年の3月7日、全国で461番目に産声をあげたのが、現在の社団法人恵庭青年会議所である。
私は1972年生まれ、当時の記憶などもちろん残ってはいないが、物心つくころから父がJAYCEEとして活動に励んでいる背中を見て育った。 
創立来、時々の先輩たちが議論をぶつけ汗を流し、互いに涙しながら創り上げてきた礎の上に私たちの活動する場所があるのであって、その歴史に重みを感じる一方で、改めてJC運動の本質を考え原点に立ち返ることが求められる時期に来ているように思う。
戦後の復興と再建を趣旨として1949年に東京JCが創立されたのを期に、運動の灯が全国に広がり、綿々と続いてきたJC。いま創始の志は達成され、各地域で時代に則した新たな目的を持って運動が展開されている。 
しかし、貧困と戦争をこの世から排除し、世界に平和をもたらすことがJC運動であり、その実現を以てJCは社会的使命を終え、発展的に解散することが最終的なあるべき姿とするのなら、運動の本質は不変でなければならない。
友人からこんな話を聞いたことがある。2月7日は北方領土の日であり、東京では毎年「北方領土返還要求全国大会」が開かれる。昭和56年に制定されて以来続くこの大会には、内閣総理大臣をはじめ国会議員や関係者、多くの国民が集うが、主催する立場にある側が会の結びに口にする言葉 〝また来年ここで会いましょう……〟。
そもそもこの運動の本質を理解していれば決して口にすることのない言葉であり、領土の返還は二の次となっていることに他ならない。これを反面教師とし、JC運動の本質を理解した活動をすることが大切だと強く感じる。


~まちは人で活かされている~

 まちって何ですか。まちづくりって何ですか。
 この素朴な問いに、あなたは明確な答えを出すことができるだろうか。
 昨年、先輩達と過去の写真を観ながら歴史を振り返る機会を持たせていただいた。若かりし頃の自分に少し照れくさい表情を浮かべながらも、当時の想いを熱く語る先輩達の姿には、JCと真剣に向き合ってきた人だからこそ持つ〝誇り〟を感じた。
半分赤茶けた写真には、決して整備が行き届いているとは言えない町並みが映っていて、そこに肩を組んで写真に収まる先輩たちの笑顔には、まちに対する熱い情熱と、支え合う互助の精神に担保された友情が滲みでている。いまこの時代、改めて自分のまちを見つめ直したとき、あの写真とは様変わりした町並みが広がる。しかし、何一つ不自由の無い豊かさを得た代わりに、私たちは何か大切なものを失ってしまったような気はしないだろうか。
 まちから〝顔〟の見える商いの風景は消え、緑豊かに整備された公園に子どもの姿を見ることも少なくなったように思う。戦後の時代を必死に生きてきた老人は、肩身を狭くしてどこかに居場所を探しているようにさえ見える。
 いくら環境が整備されたまちであっても、人の心が通わなければ、それはまちとは言えず、鉄とコンクリートで形取られた、ただの空間に過ぎない。関わりの中で互いを思いやる心を育み、人に支えられ生かされていることに感謝をし、自分だけではなく周りの幸せを考えることのできる人々の行動が、人の心が通うまちを生むのではないか。子どもから老人まで、みんなが主役であり、ときには脇役となって周りを支える利他の心に満ちあふれた市民の手によって、まちは活かされているのだと思う。〝まち〟とはそこに暮らす人の心であり、思いやる心を育むことが〝まちづくり〟ではないだろうか。
市民と一緒になり壮大な挑戦をすることで、互いに支えられ、生かされていることに感謝できる体験をしたいし、そこから生まれる関わりを大切にして、心が通うまちを創り上げていきたい。


~子どもにとって幸せとは何だろう~

子どもを取り巻く負の環境について、ここで改めて書くことはしない。みんなで考え論じたいのはただ一つ、〝子どもにとっての幸せとは何か〟である。

授業はうわの空、放課後が待ち遠しくて仕方ない、学校が終わると競うように公園や川へと遊びに出かける。暗くなるまで外で遊んでいると、あちこちの家から夕食の美味しい匂いがたちこめ、腹ぺこになり家へと急ぐ・・・・・・。あの頃がとても幸せだったことをしみじみと感じる。
物に恵まれ何一つ不自由の無い生活を送る今の子どもたちに、何か大切なものを失わせてしまってはいないだろうか。
私たちが子どもの頃にあったもの、それは〝関わり〟ではなかろうか。子ども同士の関わりはもちろん、親子の関わり、近所の関わり、地域の関わり、じつに多くの関わりの中で育ってきたと思う。
それが今はどうだろう、共働きの家庭では家族全員で食卓を囲むことも少なく、それぞれに与えられた部屋で好きなことに没頭し、茶の間に全員が集うことはあまり無い。また地域においてはどうだろう。町内会活動が形骸化し、互いに顔の見えないご近所になっているのかも知れない。
子どもは多くの関わりでたくさんの事を学ぶ。ときには見知らぬ大人に叱られることもあるだろうし、助けてくれることもあるだろう。ガキ大将を中心に縦社会を覚えることもするだろう。無意識のうちに関わりを通じて多くのことを学んで来たはずで、それが今の社会にはあまりに少ないとは思わないだろうか。子どもにたくさんの関わりを与えることが必要だ。
そして、もう一つ伝えなければならないものに〝夢〟がある。夢を持つことの素晴らしさを伝え、夢を実現するためには多くの困難があり、それを乗り越えるためには人の支えが必要であることを教えなければならない。人の関わりが無ければ達成出来ないような大きなチャレンジを通じて、夢を語り合える友情を創りたい。そこで生まれた友情は生涯の宝となり、互いに支え合いながら夢の実現へと繋げる。それが必ず子どもの幸せになると信じている。


~深みある人格者を目指して~

 先ず確認しておかなければならないことがある。なぜ私たちは研鑽を積む必要があるのだろうか。 
 行き過ぎた競争の中で、時代の寵児と持て囃された人たちが様々な油断によって社会から追放される事象が繰り返されている。さらにはトップの慢心が引き起こす不祥事は後を絶たず、上に立つ者の背中が壊れかけている気がしてならない。
 高いところに志を置くことはとても素晴らしいことだと思うが、大切なのはそこへたどり着くプロセスではないだろうか。人を踏み台にしながら目指すことも出来るだろうし、周りに推されながら近づく人もいるだろう。私たちはどちらの道を歩もうとしているのか。
 組織を御輿に例えた話を聞いたことがある。御輿は担ぎ手が威勢の良い声を張り上げながら街中を練り歩き大勢の目を楽しませてくれる。でも実はその陰で、周りの安全に気を配る人や、食事を用意する人、さらには担ぎ手の足袋を編む人がいて、初めて御輿は担ぎ上がるのである。組織の上に立つ者は誰を一番に気遣うべきなのだろうか。
 私たちはおかげさまでJC活動を出来る環境にある。それは家族の理解があって、会社の援助があって、部下や同僚の協力があって成り立っている。先ずはそのことに感謝するところから始まり、活動を通じ己を高めることで企業や社会に貢献し、周りに多くの幸せをもたらすことでお返ししなければならない。
 忘己利他~ 己を忘れ他に尽くす
 中国の偉人が残した言葉とされるこの四文字には、利他の心が集約されており、私自身、座右の銘として心に留めている。人は立場が重くなるにつれ謙虚になる人もいれば、逆に傲慢になる人もいるだろう。私たちは謙虚であり、やさしい人でありたいし、そのためには己を律する厳しさを持ち、現状に満足することなくさらに研鑽を積む必要があると思うのだ。人はひとで磨かれる。多くの関わりの中で自然に身につけることの出来る、実践の人間力を求めたい。
《実るほど頭を垂れる稲穂かな》 己を律する学びから滲み出る謙虚さで、人の心を動かすことのできる、そんな深みある人格を形成しょうではないか。

~実現への架け橋~

 広報って何ですか。何のためにあるのですか。
 創立以来、長きに亘り紡いできた私たちの運動は、多くの市民に受け入れられ今日を迎えている。しかしながら時代の変遷とともに、JCしか無い時代からJCもある時代へとなり、じつに多くの市民や団体がまちづくりに関わりを持つようになった今、私たちはJC運動の本質を見失ってはいけない。
 綱領に「明るい豊かな社会を築き上げよう」と言う一文があるが、これがJC運動の目的であって、多くの人々と連携を図りながら実現を目指す意識が求められる。
 広く運動を伝える手段として、従来の媒体に加えインターネットをはじめとするあらゆる情報網が発達し、効果的に発信するLOMも非常に多くなったと思う。
 これだけ便利な時代になった今、私が思うのは、いったい広報活動とは何のためにあるのか、その本質をはっきりさせなければ、ただ手法論に陥った薄っぺらなものになってしまうのではないかという心配だ。
 私たちの活動や運動を一人でも多くの方々に伝え共感していただき、互いに手を取り合って明るい社会の実現を目指すことに繋げる。これが広報の本質ではないだろうか。
 30余名のメンバーでまちを変えることなど到底出来ることではない。家族や職場、市民と手を取り合い活動することで、市民の意識が変わり、まちを変えることに繋がる。広報活動とは、明るい豊かな社会を築くために、LOMと市民が手を取り合うことのできる強い架け橋をつくることに他ならない。
 組織の垣根を越えた関わりを生み出し、互いを思いやる心を育み、市民がひとつとなれる壮大な架け橋を創ろうではないか。


~会員拡大は人財拡大である~

昨年、日本JCが掲げる会員拡大45000人必達プロジェクトの下、社団法人恵庭青年会議所は多くの同志を迎えることができた。30名以上の体制でスタートすることができ、期待に胸を膨らませている。
今年も引き続き会員拡大を積極的に行い、40名の大台に乗せて2011年度へバトンを渡すことを約束したい。加えて、新会員に対する研修にも力を入れなければならない。
成功者には三つの段階があると聞く。三流は「財産」を残す、二流は「名前」を残す、そして一流の人間は「人」を残すとある。
社団法人恵庭青年会議所に身を置くメンバーは、全員が一流でなければならないし、本年卒業を迎える経験豊富なメンバーには、己がJCで培ってきた経験と多くの先輩から教えられてきた心を次代にしっかりと残して行くことを託したい。
会員拡大とは人財拡大に他ならない。研鑽を積んだメンバーが、新たにJCの門を潜った仲間を貴重な人財へと育てていく、その繰り返しによってJC運動が紡がれていく……。
是非とも可能性の循環を描いて行こうではないか。


~公益法人格を取得する~

昨年の臨時総会で社団法人恵庭青年会議所は公益社団法人格取得を目指すことを決議した。これにより本年は取得申請へ向けたLOM運営を行うことになる。
公益社団法人格取得の必要性について様々な議論を交わした結果、メンバーの総意で決意したのだから、認証に値する運営を行おうではないか。
取得に向けて様々な課題や問題といった事も出てくるだろうが、一つひとつを確実に解決していくことで、公益社団法人格として誰もが認めるLOMとなるよう、メンバー一丸となり取り組んで行きたい。


~誓う~

2030年、社団法人恵庭青年会議所が60歳を迎える年。
白髪の増えた同志が集まり酒を酌み交わす。血気盛んな若かりし頃の自分たちに想いを巡らせ、あのときはこうだった、このときはどうだったと、昔話に華を咲かせる。
 毎朝散歩に出かけるのが習慣で、元気よく挨拶を交わし、楽しそうに学校へと向かう子どもたちの背中を笑顔で見送ったあと、いつも立ち寄る商店へと足を向ける。
何を買うわけでも無いが、そこには話好きの仲間たちがいて、たわいもない会話を楽しみながら、人に支えられこのまちで生きることに感謝する……。

想像する20年後のイメージは、私たちが幼少の頃にあった過去の姿なのかも知れない。あの時代、まちには〝夢〟があふれていたような気がする。
混沌とした時代に生きる私たちは、あの頃の大切なものを取り戻すために、何の見返りも求めず、多くの犠牲を払いながら、ときには議論をぶつけ、互いに汗を流し、このまちを少しでも良くしたい一心でJC活動をしている。JCと真剣に向き合うことで多くの友情を得ることが出来たし、〝心〟を学んでいる。
この出会いに心から感謝し、生涯の友であるメンバーとともに、市民と手を取り合って夢のある未来への階段を歩む一年とすることを改めて心に誓う。


われわれJAYCEEは
社会的・国家的・国際的な責任を自覚し
志を同じうする者 相集い 力を合せ
青年としての
英知と勇気と情熱を持って
明るい豊かな社会を築き上げよう

この綱領を胸に、社団法人恵庭青年会議所メンバー一丸となって、明るい豊かな社会を築き、恵庭に素晴らしい未来を切り開いて参りましょう。
一年間、よろしくお願い申し上げます。




【基本行動理念】
 JC運動の本質を追究し、公益に寄与する団体としての自覚を持って青年らしく積極果敢に挑戦することが、明るい豊かな社会を築くことに繋がる。

【基本方針】
・誰もが主役となれる心が通うまちづくり
・関わりの中で夢を抱くことの素晴らしさを伝える青少年育成
・揺るぎない信念から滲み出る謙虚さを持つ人格形成
・LOMと地域の架け橋を創る広報活動
・40人体制実現に向けた会員拡大
・公益社団法人格取得を目指すLOMの運営